プレスリリース

2015年度

ツバル国向け国際航海貨客船の引渡関連行事を実施

2015.12.10

 ジャパン マリンユナイテッド株式会社(所在地:東京都港区、社長:三島愼次郎、以下「JMU」)は、横浜事業所鶴見工場(神奈川県横浜市鶴見区)で建造したツバル国(以下「ツバル」)向け国際航海貨客船「NIVAGA III(ニヴァンガ スリー、以下N3)」を同国へ引渡しました。それに伴い、12月4日に当社からマーティア・トアファ ツバル首相代理 兼 財務・経済開発大臣(Honorable Maatia TOAFA, Acting Prime Minister, Minister of Finance and Economic Development of Tuvalu)へのインタビュー、12月9日に本船の就航を祝う引渡式典が行われました。

<トアファ首相代理インタビュー>
インタビューの内容は次の通りです。

 JMUが就航中の貨客船「Manu Folau(マヌ・フォラウ)」(詳細は後述参照、以下MF)と同様に本船を建造する事が、約2年前に決まりましたが、その際にどのような感想をお持ちになりましたか?
 「今回のプロジェクトパートナーを聞いた時、MFの建造時と同じ契約・企業である事を知り、N3が世界トップレベルの造船会社が建造する船となることに、自信と信頼の念を持ちました。ツバル国民は、日本の最新技術に大きく期待しています。MFは約15年前当時の最新技術で建造されましたが、N3についても同じく現在の最先端の船となる事を期待しましたそして、昨日入港した本船は、期待に違わずとても美しい船でした。」

 本船の定員は人口増による海上輸送の需要が増加するとの予測に基づき決定されたとの事ですが、現在の状況はいかがでしょうか?現在でも需要は増加傾向にありますか?
 「当時の予測は非常に的を射ていました。今日は運賃が手頃になってきたため、多くの人々が海上移動をするようになり、国内旅客需要が高まっています。国民は、より快適なN3がさらなる国内移動の中心となるよう期待しています。1年半前には、フィジーから用船しなければならないほど、予想を上回る需要増加がありました。N3の就航によって、これらの需要に対応できると考えています。」

 本船は最新の国際規則を満たした船ですが、フィジー以外の、キリバスなどの新しい国際航路を開設する可能性もありますか?
 「本船は内航船であるMFが満たしていないSOLASなどの国際要求も満たしているので、キリバスとの航路も視野に入れています。キリバスには現時点で航路がなく、我々にとっては不便な状態が続いています。N3が新しい国際航路に就航する事は、経済的な利益が期待できます。また、ツバルとキリバスは良好な関係を持っており、両国民はお互いに対する熱意があります。従って、新規国際航路は両国民の交流を深める機会になると考えられます。
そして、キリバスだけではなく、ニュージーランドのトケラウ諸島(ツバルにとても近い文化・言語を持つ島)への航路も検討しています。実際、トケラウ諸島の人々は我々が新造船を受領する事も知っており、彼らから用船を依頼されています。このように、近隣諸国の島々との航路が検討されており、本船の就航による周辺国の経済および人的交流の活性化が期待されています。」

 就航後のメンテナンスを確実に行う事を前提として、本船が供与される事となっていましたが(前船ではメンテナンス不足による老朽化があった背景による)、メンテナンス計画について話を聞かせて下さい。
 「この計画は良いと考えています。ちょうどMFと前船のNIVAGA II(ニヴァンガ ツー)でメンテナンスに経費を供給しはじめたところです。特に我々は経済的制限があるのですが、定期的なメンテナンスを確実に行うための幾らかの予算を何とかとることができました。今まではメンテナンスを軽視していた為、船を新造しなければならないという非常に経費のかかる概念でしたが、ツバル国民の旅客需要の為に、船を建造して保全するというより低コストかつ便利なものに変えました。」

 今年福島県で実施されたPALM7の機会に、ツバル首相より日本のODAについて謝意をいただきましたが、ツバル国民の皆さんは、日本のODAについてどう思っていらっしゃいますか?また、日本のODAが他国と違うところはありますか?
 「ツバル国民は、NFそして今はN3が日本のODAによって供与されることをとても良く知っていると確信しています。それだけではなく、病院や学校、発電所、埠頭など、ツバルの社会基盤のほとんどは日本の援助で設立されました。国民は、日々の生活でその存在を必ずと言っていいほど知っていますし、継続的に援助を行ってくれる日本に対して感謝しています。PALM7で首相が謝辞を述べられたのは、まさに全国民の意思を表したものです。
 日本のODAは、最重要である社会基盤設備の増強において一番の存在だと考えています。実際に、日本の援助は教育、交通、エネルギー、保健など国内で発展中のほとんどの分野を網羅しています。」

 PALM7では、各国代表が社会基盤充実の重要性を再確認し、援助を必要とする国への支援を継続的に行うことが話されました。今後必要と予想される援助は、どのようなものがありますか?日本に望むことはありますか?
 「日本はいつも支援してくれており、差し迫った問題はありませんが、気候変動によるツバルの国土減少問題は改善していかなければなりません。これはツバルの安全・生存に関わる重要な問題です。我々は、ODAの供与もツバルの環境的な国土減少に焦点を当ててもらい、関係の強化を必要としています。見た通り、ツバルは海抜の低い小さな島嶼国家です。今行動しなければ、我々は完全に気候変動問題に直面します。今年3月のサイクロンでツバルや周辺島嶼国の国土が流されてしまったように、防災のためにより多くの防潮堤が必要となってきます。現在ツバルがODAに求めるのはこれらの事で、良好な関係を持っている日本にも期待しています。」

 JMUとの将来的な関係についてコメント下さい。
 MFは約10年後には代替船が必要となりますし、その際には日本のJICAに要請することが考えられます。私としては、代替船を建造するなら、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを採用した船をJMUに建造してもらうのが良いと思います。今後も、JMUとの関係を深めていきたいと思います。

<引渡式典>
 式典はツバルの首都・フナフチ島にて開催され、主催者であるツバル政府よりイアコバ・イタレリ総督(His Excellency Sir Iakoba Italeli, Governor-General of Tuvalu)およびトアファ首相代理、ラファイ・ツバル通信・運輸大臣(Hon. Monise Laafai, Minister of Communication and Transport, Tuvalu)などのツバル側政府関係者、日本より花谷卓治 特命全権大使ほか、本事業の関係者等が出席しました。
 式典では、トアファ首相代理へ花谷大使より本船の鍵が渡されました。
 トアファ首相代理は、挨拶にて「この素晴らしい日に、良き友人である日本政府および日本国民から本船を贈られた事を心より感謝します。」と述べられました。また、ラファイ大臣は「海上輸送はツバルにとってまさに必要不可欠のものです。今まさに発展の道をたどっており、人々のよりよい生活にもつながるでしょう。」と述べられました。
 式典終了後には一般公開も行われ、大勢のツバル国民が本船を見学しました。

 ツバルは9つの島からなる島嶼国家であるため、国内外の旅客・貨物の輸送は大部分が海上輸送によるものです。海上輸送はツバル政府が運航する2隻の貨客船によって支えられており、うち1隻は当社で建造した内航貨客船の「Manu Folau(マヌ・フォラウ)号」です。同船は日本政府による無償資金協力によりツバルへ2002年に引き渡されました。
 今回本船は、老朽化した外航貨客船の代替船として、「マヌ・フォラウ」と同様に日本政府から供与されました。これにより、当社が建造した2隻がツバルの海上輸送を担う事となります。


写真:上から、「マーティア・トアファ ツバル首相代理」「トアファ首相代理に本船のカギを渡す花谷大使」「ツバル国民でにぎわう本船」