SHIP BUILDER

Norihito Esaki江﨑 文人

調達部 素材調達グループ

仲間の顔を思い浮かべ、
材料というバトンを渡す。

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hisWORK

私が生まれた育った九州では海や船が身近な存在です。移動手段として日常的に船が使われ、国道の一部が海路になっているところもあるくらい。そんな環境で育ったこともあり、就職活動では製造業を中心に見る中、造船業界で働きたいと自然に思うようになっていきました。特にJMUに惹かれたのは、多種多様な船を手がけていたところ。JMUならいろんな船に関わることができる。そんな夢に期待を膨らませながら入社を決意。造船会社に入ったら、現場により近い場所でものづくりに携わりたい。そう思い事業所勤務を希望したところ願いが叶い、津事業所の調達部門に配属となりました。

調達とは船の建造に関わる材料、細かくはボルトの1本に至るまであらゆる資機材の購入を行う部署です。船は1隻で数十億円、数百億円と大きな金額が動くので、調達がいくらでモノを仕入れたかによって会社の利益にも大きな影響が出ます。ただ、既製品を買って終わりの仕事はほとんどありません。お客様ごとの要望に沿ったもの、たとえば海外のお客様も多いのでその国の法律基準に沿った資機材などは都度オーダーメイド。その場合は、取引先に行って仕様を説明するのはもちろんのこと、納品までのマネジメントも我々が行います。予算や納期が限られた中で、外部の人にどう動いてもらうか。その進捗管理も購買担当の重要な業務ですね。

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hisSTYLE

仕事で最も気をつけていることの一つは、やはり納期遅延。頼んだ期日にモノが上がってこないと、その日に作業を予定していた職人の動きが止まる。すると翌日の予定も狂い、しまいには船の納期も・・・と、全工程に影響が出てしまいます。そのため、発注後も定期的に外注先を訪問したり、こまめに電話やメールでコミュニケーションを取ったりして、進捗を確認します。それには管理的な意味もありますが、もう一つ大事なのが人間関係を築くこと。以前、現場トラブルで部品が壊れてしまったことがありました。外注先に急いで連絡し、なんとか最短納期でもう一度つくってほしいと頭を下げると「他の業務もあるけど、江﨑が言うならしょうがない」と対応していただいたことがあります。ビジネスライクな関係だけではこうはならない。普段の行いで信頼関係を築く大切さを身にしみて実感した経験です。

コスト調整の最後の砦となるのは調達です。予算が厳しい中でも工夫をしてどれだけ利益を会社に残すか。ただ、安易に安いモノを選んだことで逆に現場の工数が増え、工事全体のコストが上がってしまうこともある。そう考えると、調達した資機材を実際に使用する、現場工程にまで視野を広げ、購買を進めていく必要があります。現在は、本社に異動となり、鋼板や機器類といった、全社的にコストインパクトの大きな製品を扱う立場になりました。しかし私が調達した材料を使うのはやはり現場。事業所時代にともに船づくりをした仲間や職人たちの気持ちを忘れないようにしています。これからは、現場の想いも知る本社の購買担当として、よりスムーズにモノが流れ、より利益が出せるような仕組みを考えることで、全社的にさらなる利益貢献をしていきたいですね。

取材内容・所属部署は取材時のものです。