SHIP BUILDER

Masaki Naito内藤 正樹

設計本部 基本設計部 機関グループ

メイドインジャパンの船。
そのはじまりをつくる、誇りと責任。

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hisWORK

船舶は、お客様の要望に合わせて形のないところから建造されます。つまり、建造するための設計図も、船舶の数だけ種類がある。一つとして全く同じものは存在しません。私が担当しているのは、まさにそのはじまりの部分。お客様のニーズを的確にとらえて魅力ある高性能な船舶を設計し、営業と二人三脚で受注に結びつけていく基本設計という仕事です。現在は機関グループに所属し、機関プラントの設計を行っています。具体的には推進、発電用エンジンの選定や冷却水、潤滑油、燃料油などの船舶の心臓部となる諸設備を、お客様の要望に沿った形で構築していく仕事です。

とはいえ、机に向かって図面を作成しているのは全体の業務の一部でしかありません。実際には、船舶のコンセプトや大まかな仕様について検討し、お客様と打ち合わせを重ねる時間がほとんど。どんな案件であっても、機関プラントの一部分だけを設計するのではなく、お客様と話し合って導き出した最終的な完成形を土台に、各種運航状態における船舶の使われ方などを頭に入れつつ仕様や設備を考えていきます。まさに、船舶の完成度を決める部分を担っているといっても過言ではありません。若いうちからでも、このように責任感ある仕事に携われるチャンスが多いところがJMUの魅力です。

02
hisSTYLE

以前、新たな船型を開発していた時のこと。大きなコスト削減の開発目標が定められました。当時、まだ入社して4年目。私はお客様の要望を取り入れつつ「とにかく安く建造すること」を目標に、なりふり構わず設計しました。ところが、出来上がった図面を上司に見せると、「君一人で仕事をしているのではない」と跳ね返されました。当時は、目の前の目標に頭がいっぱいで、自身の図面が基本設計に続く詳細設計や建造工程でどんな影響を与えるのかという点に気がつくことができていなかったのです。自分が作成した基本設計がなければその先には進めない。それだけ、重要な役割を担っていることを実感した瞬間でもありました。

そこから、同僚、上司、関係部署との連携を密にしながら改めて図面作成を開始。結果的に新開発船型トータルでのコスト削減に踏み込みながらもお客様に受け入れていただける仕様にまとめることができました。当社の船舶は全て日本の造船所で建造されます。だからこそ、私たちは「メイドインジャパン」という誇りを持って船を海に送り出さなければいけません。今後、環境に配慮した船舶のニーズの増加に伴い、挑戦したことのない技術を盛り込まなければいけない時が必ず来ます。しかし、どんな状況であっても「自分がJMUの信頼を背負っている」という責任を忘れず、一流の船をめざしていきたいと思っています。その積み重ねで、社内外問わず信頼される技術者になることが目標です。

取材内容・所属部署は取材時のものです。