SPB®方式 大型LNG船「エネルギーリバティ」 命名式について

ジャパン マリンユナイテッド株式会社(東京都港区、社長:三島愼次郎、以下JMU)は、10月16日(月)、東京エルエヌジータンカー株式会社(東京都港区、東京ガス株式会社殿100%子会社)および株式会社商船三井(東京都港区)向け165,000m3型SPB®方式大型LNG船の命名式を津事業所(所在地:三重県津市)にて行い、多くの関係者が見守る中、本船は「エネルギーリバティ(ENERGY LIBERTY)」と命名されました。

本船は、増設される新パナマ運河を通峡可能な汎用性の高い船型であり、国産技術であるJMUの自立角形タンク方式(以下、「SPB®方式(※1)」)を採用しています。 SPB®方式は、株式会社IHI(東京都江東区、以下IHI)とJMUが開発したもので、スロッシングが発生しないため、任意の液量を積み付けることが可能で、LNG船だけではなく、LNGを貯蔵するFSOやFPSOへの採用が多数検討されております。 更に、タンク形状の自由度が高く、船体形状に合わせたタンクを設計することで、非常に高い推進性能を確保すると共に、低燃費を実現しております。

また、米国沿岸における環境規制(※2)に対応するため低硫黄油も使用可能な三元燃料ディーゼル機関(TFDE:Tri Fuel Diesel Electric)電気推進方式(※3)の採用と、ボイルオフ率(※4)を世界最小(0.08%/日)にするタンク防熱仕様の採用により、優れた燃費性能と大幅な環境負荷の低減を実現しました。

本船は、船体をJMU津事業所、タンク部分をIHI愛知工場でそれぞれ建造しており、本船竣工後は米国コーブポイントプロジェクトからのLNG輸送に投入される予定です。 

今後ともJMUは、高性能なLNG船の建造に積極的に取り組み、日本のLNG輸送に貢献して参ります。

<主要目>
全長            :    299.9メートル
型幅            :    48.9メートル
航海速力    :    19.5ノット
貨物槽容積:    約165,000立方メートル
主機関       :    TFDE (※3)


※1  Self-supporting Prismatic-shape IMO type Bの略
※2 米国沿岸の沖合200海里までの多くの海域における、船舶からの排気ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)の排出規制
※3  低硫黄油(軽油)、重油およびガスの3種を燃料としてディーゼル機関により発電し、電気モーターによりプロペラに推進力を伝えるシステム
※4  航行中に自然に蒸発する天然ガスの割合