丁寧なコミュニケーションで
形作られる、
JMU商船の
マーケティング×商品企画。

商船とは、商いを目的とした船のことを指し、コンテナを載せる船から原油を運ぶ船、人を乗せる船、海上での作業のための船など様々な種類があります。

商船の開発手法は、大きく2通りあります。 1つは、特定のお客様からの要求に合わせて最適な船型を1つずつオーダーメードで作り込むもの。 そして2つ目は、多くのお客様からの商談にスピーディーに対応するために、事前の基礎調査に基づきパッケージ化された、汎用性と競争力のある「標準型商品」をベースに進めていくものです。

標準型商品をベースにする企画では、日々のお客様からの声や基礎調査(荷動き、既存船の数や船齢、港湾制約(※1)、新たな規則など)をもとに仮説となる船型(※2)案を作成し、それに対するお客様の意見や要望をヒアリングして、船型案を磨いていきます。

どのような船が今後求められるか、お客様の需要を潜在的なものも含めて早く正確に掴んでいくために、船主(※3)、オペレーター(運航会社)、荷主(※4)、商社、ブローカーをはじめとする海運業に関わる各方面からの情報を得ながら、商品を企画していきます。

  • ※1 港湾制約: 入港して荷役が可能な船のサイズや条件のこと
  • ※2 船型: 船の主要寸法や形状のこと
  • ※3 船主: 船の持ち主のこと
  • ※4 荷主: 船に積む貨物の持ち主のこと

Issueきっかけや背景となったニーズ

船が必要となったとき、
期待を超える商品を
タイムリーに提供するために。

商船事業ではマーケティングや商品企画のプロセスも大切にしています。
お客様にご要望いただいてから商品開発をしていては商機を逸してしまうことがあり、先の需要を予測し、新商品を企画することが求められます。 特に、最近はGHG(温室効果ガス)削減に向けた動きが加速しており、環境規制や新燃料の動向によってニーズが大きく変化する時代となってきています。 お客様のニーズを正確に把握し、市場動向も見据えながら、お客様がほしいときにタイムリーに商品を提供できるように対応することがより一層求められています。
そこで重要になるのが、お客様のニーズを正確に把握すること、そして、商品をご提供するタイミングと先を読む力。

船の種類によっては、標準的な主要目(※)がある程度決まっているものもありますが、長い歴史の中でみると、その主要目が変化していることもあります。 特に顕著な例として、コンテナ船の積載量は20年前は最大8,000個程度だったものが、現在では24,000個程度までに大型化しました。 そのため、既存の主要目だけに囚われずに先を見据えて新しい船を提案していくことも重要だと考えています。

主要目: 船の主な寸法や(長さ、幅、深さ 等)や仕様(船速、載貨重量 等)のこと


Overview概要

営業部と設計部の密な連携で、
アイデアを共創。

商品を企画する際には、営業と設計のメンバーが協力して基礎調査を行い、当社として仮説を立てた上で船型案を作成。 それに対するお客様の意見や要望をヒアリングして、船型案を磨いていくというのが大きな流れです。

マーケティングという観点では、会社がこれから注力することや何を作っていくべきかを決めるための情報収集を行い、どんな方向性の商品がふさわしいかを分析します。 そして、設計はこれらのマーケティングの考察をもとに技術的に実現可能な仕様を見極め、提示。 このようなフローを経て、コストや燃費・運賃などの条件を比較しながら、船のコンセプトを決めていきます。

作り上げたコンセプトがお客様に評価されるかどうかは、お客様に聞いてみないと分からないこともあるので、実際にお客様に意見を聞かせていただきながら船型案を磨いていきます。
磨き上げた船型案をどう調整したらより売れるかを突き詰めて受注に導くのは営業の仕事ですが、情報収集からアイデアの改善まで終始、設計との連携が欠かせません。


Strength強み

固定概念にとらわれず、
柔軟かつ大胆に発想する。

基礎調査等を基に将来のトレンドや市況のタイミングを読むこと、失敗を恐れずに新商品を立案すること、お客様のニーズや評価をよく知ること。 この3点を突き詰めた確かな提案力が、JMUの強みです。 多くの建造実績を活かした対応力や、長年培ってきた船型開発技術に基づく優れた低燃費性能、高い品質でもお客様から評価をいただいています。

商品企画においては、お客様のニーズを汲み取り、先を読むことが非常に重要になりますが、船舶業界は専門性が高く、世の中に公開されている情報からわかることが少ないという業界的な特徴から、お客様が何を考えているかは話してみないとなかなかわかりません。 JMUでは、長年培ってきたお客様との強固なネットワークがあるという点も強みです。
直接のお客様となる船主はもちろん、荷物を持っている荷主の方や商社の方などに話を聞く機会がある時には、直接商売につながりのないことも会話をしながら、直接的な情報だけでなくお客様の今後の投資に対するマインドを左右するような間接的な情報まで吸い上げることを大切にしています。

まだ顕在化していない兆しを見逃さないためにも、目先の情報だけで判断せず、お客様や関係者の声に心を傾けることを大切にしています。


Achievement成果

「技術で選ばれる船」で、
日本のプレゼンスを世界に示す。

自動車産業と同じように、造船も国際市場の中で日本企業の存在感が非常に大きい産業です。 技術大国・日本として、「技術」で世界中から選ばれる船をつくり続けていくためにJMUに求められること。 それは、今の世の中にある船では満たせなかったお客様の期待やニーズをいかに察知し、それを叶える船を作れるか。

長い歴史の中で磨かれてきた「営業ネットワーク」と「設計技術」。
そうしたJMUの強みを最大限に活かすための第3のカギこそが、情報と知見を武器に、お客様にとって最も魅力的な船を考え尽くす「企画提案力」なのです。


Profileプロフィール

今 建介
2009年入社
NSY 営業本部商船営業2部 係長
上野 周作
2006年入社
NSY 設計本部 基本設計部 企画グループ 専任課長