社会
安全、安心に貢献しつつ“人”を育て魅力ある職場を実現することで、品質・安全・安心の観点から社会の発展に貢献していきます。
SDGsへの取り組み
重要な課題品質の確保・向上
ポイント品質マネジメントシステムの運用徹底
品質の確保・向上
当社は、次の3点を品質方針とし、品質マネジメントを実践しています。
JMU品質方針
- お客様が期待する価値を的確に捉え、お客様のご期待とご要望を満足する製品とサービスを提供します。
- 品質マネジメントの確実な適用、継続的改善及び不適合の予防を実施していきます。
- 社員一人ひとりがやりがいを持ってチャレンジし、全員参加で品質の向上に取り組みます。
品質マネジメントシステム(Quality Management System: QMS)は、社長が統括責任者として各事業所・各部門において確立、運用してISO9001認証を取得しています。 全事業所品質保証部門長による品質委員会を品質担当役員が主催して定期的に開催し、品質マネジメントの実施状況、改善、不適合の再発防止・予防についての横通しを行なっています。 また、年度毎に建造案件など状況に応じて品質目標・計画を定めて全社活動を展開しており、2022年度は『①不適合未然防止の強化、②基準は守る・守らせる、③自工程完結、④人の育成』を重点施策として掲げ、取り組みました。 管理値は、案件建造中に発生する仕損工事費、お客様へ引き渡した後に発生する保証工事費として、各々の目標(上限値)を定めて、それを達成すべく各事業所・各部門で重点施策を具体化して、展開しています。 重大な品質不適合が発生してしまった場合には、損傷対策会議を実施して原因究明、該当事案への対応、再発防止の策定を行ない、その情報を全社開示して類似不適合再発防止、新案件での再発の未然防止を行なうよう規定して運用しています。
重要な課題安全衛生の推進
ポイント重篤な災害防止と全社的な安全衛生活動
当社は、安全と健康の確保は極めて重要な経営課題のひとつと考え、「安全衛生管理方針」に基づいた取組みを展開し、造船業界トップ水準の安全衛生管理活動を目指しています。
2023年度 安全衛生管理方針
- 基本理念:
『安全はすべてに優先する』 - 活動スローガン:
『変化 挑戦 目指せ! 安全・健康職場のさらなる向上』
全ての人々が安全で健康に働く業界のリーディングカンパニー - 安全衛生管理目標:
〈安全管理〉
- 重大災害: ゼロ
- 休業災害度数率: 0.3以下
- 全災害度数率: 0.8以下
〈衛生・健康管理〉- 健康年齢: 改善
- 要健康管理者: 減少
- 組織の総合健康度指数: 向上
- 重点課題:
〈安全管理〉
- 墜落・転落災害及び重量物取扱い時の災害撲滅
墜落・転落防止対策の徹底
「クレーン・玉掛」の基本動作と連絡合図の徹底
「運搬」、「倒壊防止」に関する確認動作の徹底 - 5S活動の継続的深化
- 安全衛生教育への継続的取り組み
- ISO45001の認証取得・継続へ向けた計画的取り組み
〈衛生・健康管理〉- 健康経営の推進
健保とのコラボヘルス推進
健康経営度調査などの外部評価を活用した継続的な改善・進化 - 社員がいきいきと働くための自律的な健康管理の推進
1人ひとりが健康年齢を向上する取り組み
適切な要健康管理者対応の推進
「こころ」と「からだ」の一次予防・二次予防の強化による要健康管理者発生の予防 - 全員参加によるいきいきとした職場作り
ストレスチェック及び組織健康度調査の結果を活用した職場活性化
- 墜落・転落災害及び重量物取扱い時の災害撲滅
安全活動の推進
当社は「安全はすべてに優先する」を基本理念とし、安全衛生管理方針に基づいてグループ会社及び協力会社と一体となって安全で健康的な職場づくりに取り組んでいます。 事業所ごとに安全衛生管理方針に沿って職場パトロールや法令教育実施などの災害防止活動を行なっています。 過去の労働災害傾向を分析し、2020年度からからは発生数および重篤者発生率が高い「墜落・転落災害」を防止することを最重点課題に掲げて取組みを継続しています。 全社的な活動として2020年度に設置した経営トップ層による安全に特化した「全社安全検討会」を継続しました。 また、「安全衛生総合点検」は全事業所で実施し事業所の安全衛生管理活動の確認及び意見交換を実施しました。
2022年度の安全活動の
主な取り組み
- 安全活動のPDCA
- 安全衛生マネジメントシステムの運用
- 安全パトロール隊活動の推進
- 5S活動の継続
- コミュニケーション向上推進活動
- 安全衛生教育訓練
- 安全対話BOOK(小冊子)の活用促進
労働安全に関する取組みと効果
評価項目
項目 | 目標 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
重大災害 | ゼロ | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
休業災害度数率 | 減少 | 0.60 | 0.89 | 0.84 | 0.33 | 0.36 |
全災害度数率 | 減少 | 1.09 | 1.78 | 2.05 | 1.76 | 1.56 |
その他の指標(おもな休業災害の型別推移)
項目 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
墜落・転落災害 | 7 | 7 | 8 | 2 | 0 |
崩壊・倒壊 | 2 | 3 | 1 | 0 | 1 |
飛来・落下 | 1 | 3 | 1 | 2 | 2 |
これらの着実な活動の結果、安全成績は重大災害0件、墜落・転落による休業災害0件を達成しました。




社長による安全訓示


2023年度は社長メッセージ「誰もが出勤したときと同じように無事に帰宅しよう! 人を大切に! 自分を大切に!」を展開し安全活動に取り組んでいます。 社長をトップとした事業所訪問による安全対話活動や、労働安全衛生マネジメントシステムの運用を通じて継続的に安全管理活動の向上に取り組んでいます。
衛生活動および「健康経営」の推進
当社は、経営方針に「最大の財産である”人”を育て、魅力ある職場を実現します」を掲げています。 このことが企業存続と発展のために重要であると捉えているからです。 衛生健康活動では職業性疾病の予防に留まらず、社員の健康増進に取組むことで組織の活性化を目指すことが重要な課題であると考えています。 そこで、健康保険組合の健康づくり支援ツール「Pep Up」の健康年齢(健康状態を年齢で表した指標)、要健康管理者数(健康問題で就業制限のある社員数)、組織の総合健康度指数(ストレスチェックによる測定値)を評価項目に設定し、各種取り組みを行なっています。 これらの取り組みは「社員の健康保持・増進に取り組むことにより、社員と組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上に寄与すること」という目的で実施しており、その結果として2022年度には「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定をいただきました。
- 健康経営の推進
- 社員がいきいきと働くための自律的な健康管理の推進
- 全員参加によるいきいきとした職場作り
- 健康年齢: 改善
- 要健康管理者数: 減少
- 組織の総合健康度指数: 向上
経営課題の狙い
職業性疾病の予防に留まらない、社員の健康保持・増進、および組織活性化によるパフォーマンスの向上
推進体制
社長を推進体制のトップとし、経営会議や労使が参加する中央安全衛生協議会等で協議しながら各施策に取り組んでいます。 具体的には、人事部門、安全衛生環境部門、産業医、保健師等および労働組合や健康保険組合と連携し、社員の健康管理と健康増進施策を推進しています。
健康経営に関連する取組みと効果
評価項目
項目 | 目標 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
健康年齢(40歳以上) ※( )内は平均実年齢との差 |
改善 | 48.5歳 | 47.4歳 | 46.9歳 (-2.4歳) |
48.0歳 (-0.2歳) |
(集計中) |
要健康管理者数(年間総数) 〈プレゼンティーイズム〉 |
減少 | 144人 | 127人 | 123人 | 87人 | 91人 |
組織の総合健康度指数 〈ワークエンゲイジメント〉 |
向上 | 50.4 | 51.1 | 51.4 | 50.9 | 50.8 |
その他の指標
項目 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
アブゼンティーイズム (傷病による年間休職者総数) |
75人 | 90人 | 69人 | 47人 | 39人 |
定期健康診断受診率 (母数: 年度中に受診可能な対象者数) |
100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
適正体重者率(40歳以上) | 63.3% | 64.2% | 63.6% | 62.8% | 63.5% |
喫煙率(40歳以上) | 36.5% | 35.6% | 35.0% | 34.2% | 33.9% |
特定保健指導実施率(40歳以上) | 22.5% | 54.9% | 38.8% | 31.9% | 32.0% |
ストレスチェック受検率 | 95.9% | 98.3% | 95.4% | 96.8% | 96.1% |
高ストレス者率 | 5.7% | 4.8% | 4.9% | 5.7% | 6.1% |
平均月間所定外労働時間 | 25時間 | 26時間 | 26時間 | 21時間 | 23時間 |
平均年次有給休暇取得率 | 76.0% | 76.0% | 88.6% | 82.7% | 84.0% |
重要な課題人材の確保と育成
ポイント「JMU人財方針」に基づいた人財の育成と働き方改革の推進
人財の確保と育成
当社は最も重要な経営資源である「人財」の確保・育成に取り組んでおり、能力を最大限発揮して個人と企業の成長を実現するために、「JMU 人財方針」を策定しています。
人財方針
- 法令の遵守及び働く全ての社員の人権を尊重するとともに経営理念を実現できる人財を育成し、公平で公正なマネジメントを行っていく。
- 性別、年齢、国籍、障がいの有無等に関わらず、多様な人財が能力を最大限発揮できる環境を整備する。
- 人を育てる組織風土を醸成し、安全・健康で働きがいのある職場環境を構築する。
- 変化のスピードが激しく、複雑で不透明な事業環境のもと、グローバルな競争を勝ち抜くために多様で優秀な人財を採用していく。
- 自ら主体的に挑戦し続けられる人財を育成するとともに、技術・技能の蓄積と伝承を着実に実施する。
求める人財像
当社で働く、また当社への就職を希望する全ての人が目指すべき人財像を明示し、これを採用、教育、評価、処遇等における共通の指針としています。
志 | 現状に満足せず、常に問題意識を持ち、より良いものを求め、目標を定め変革・改革に挑戦することができる。 常に変化している世の中に対応するため、強い意志を持って自らを変革することができる。 |
---|---|
専門性 | 仕事に誇りと責任を持ち、自分の専門性を高めていく。 社内、業界、産業界、世の中で自分がNO.1と言える知識と見識を持つ。 担当分野のプロフェッショナルとして困難な場面でも諦めずにやり抜く力を身につける。 |
人間性 | 常に相手を尊重し、相手の身になって考え共感する姿勢で、周囲と信頼関係を構築できる。 多様な人財の中で、誠実に主体的にコミュニケーションを図り組織に貢献することができる。 |
教育研修
当社は、これまで蓄積された技術・技能をしっかりと継承し、進化させていくことが企業活動を継続するためにも必要不可欠であると考えており、一人ひとりが能力を最大限発揮し、個人も企業も成長し続けられるような環境を提供するとともに、複雑化する経営環境の変化に柔軟に対応できる人財を育成しています。 また、研究開発や設計スキルアップ、品質向上のための若手勉強会等の活動成果について、毎年、社長や役員に対して報告会を開催するなど一人ひとりの成長を促す取り組みも積極的に行なっています。

働き方改革の推進
個人と組織の成長を実現するためには「働き方改革」「ワーク・ライフ・バランス」「健康経営」が必要であるとの認識のもと、労働組合とも連携して「働き方改革労使委員会」を設置して各種取り組みを推進しています。 当社は、在宅勤務制度、時間単位年休制度、出産準備休暇(本人・配偶者とも)、チャイルドケア休暇などを導入しています。
製造部門若手幹部職スキルアップ研修とスキル管理システム
2021年度は製造部門の若手幹部職向けに、職場のリーダーあるいはプロジェクト・マネジャーとして期待される役割を果たすために必要なスキルを向上する研修を実施しました。 また、技能系社員のスキル向上と全社横通しの技能評価を実現するためにスキル管理システムを導入し、試験適用を経て本格導入に向けての検討を開始しています。

スキル向上研修
対策人権の尊重
ポイント法令遵守と基本的人権の尊重の徹底
人権の尊重
当社は、人権に関わる国際規範(「世界人権宣言」「国際人権規約」という国際人権章典、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」)を支持・尊重し、人権の尊重は企業活動の基盤であると考え、人権啓発活動に取り組んでいます。
また、働く全ての社員の人権を尊重し、性別、年齢、国籍、障がいの有無等を理由とした差別行為を行なわないのはもちろんのこと、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント等のハラスメントを根絶し、働きやすい職場環境をつくり上げています。
これらの人権への取り組みを推進するために、代表取締役社長が委員長を務めるコンプライアンス委員会の傘下に、総務担当役員が議長となる「(全社)人権啓発推進会議」を設置するとともに、各事業所にも各事業所長が議長となって「(事業所)人権啓発推進会議」を設置して各種取り組みを進めています。 さらに、各事業所に「人権・ハラスメント相談窓口」を設け、問題の早期発見と対応・対策を実施しており、全社および各事業所の人権啓発推進会議において、情報の共有や啓蒙活動に努めています。
また、入社時研修や役職者等の階層別研修だけではなく「JMUグループハラスメントガイドブック」を全社員に配布したり、e-learningによる研修を通して、人権意識の向上を図っています。
障がい者雇用については、特例子会社であるJMUビジネスサポート株式会社を中心に、法令に即して積極的な雇用に努めています。

ハラスメントガイドブック
対策地域貢献
ポイント各種イベントを通した地域との交流
地域貢献
工場見学
幼稚園児童、小中学生を出航見送りに招待し、子供たちに夢と感動を与える活動を行なっています。 また、各事業所で開催される「事業所祭」にて工場内を開放し、地域の皆様に当社の魅力を肌で感じていただく活動を行なっています。

(有明)
地域社会との交流
地域主催の各種イベントへの参加を通じた地域の皆様との交流を図っています。 また、高校や短期大学に講師を派遣し地域の将来を担う人財の育成にも力をいれています。

小早レースへの出場(因島)

中学生との異文化交流(呉)
ボランティア活動
安全・安心で暮らしやすい町づくりを目指し、各種ボランティア活動に積極的に参画しています。
